雑踏を抜けて、
私は今回宿泊せんとたくらむ
那須へと電車を捕まえた。

(ちょっとだけ…声が似てたな…)

消えかかる【お母さん】とやらの顔。
もう随分と会っていない。

電車のガタンゴトンと揺れる様は

小田急に少し似ている。

きっと今頃豪徳寺の我が家は
畳が静かに薫っているだけなんだろう。

ふと懐かしくなって、車窓からの眺めをゆっくりと堪能した。