「…でもさぁ…先生とならさぁ朝帰りでもいいんだろっ」
泰嘉は俺の耳元で言った。
「だまれてめぇ!ぶんなぐるぞっ」
「なんだよツンデレっ今時はやらねぇっつーの!!」
前から声がした。
顔をあげると、それは朝から玄関の前に立って
生徒たちに一々あいさつする、小林先生の姿があった。
「せっ先生…っ」
「来てくれてありがとうね。」
「いっいいっえ…。」
俺と泰嘉は玄関で靴をはき替えた。
「ゆぅきっくぅん♪顔赤いでしゅよぉ♪」
泰嘉がカラかってくる。
「うっせぇ」
「今時ツンデレなんて流行らないっつーの!!」
「ったく。」
泰嘉は、俺と正反対の性格だ。
元気でうるさい。
面白くって、人を傷つけずにギャグをする、
カラかうのが大好きだけど、人を馬鹿にせずにからかう。
そして、優しい一面もある、
きっと、俺がこの学校にいなければ
泰嘉は断トツで、モテていただろう。
俺でも、惚れてしまう。