私達は遺骨を全て拾い集めると、再び穴を埋めた。
そして車に積み込むと、急いで電波塔から離れ、元の舗装された道まで戻った――
「ふう…
とりあえず、遺骨を無事に回収出来たね。
でも、これからどうすれば良いと思う?」
溜め息混じりに私が2人に言うと、順子が険しい表情で答えた。
「以前本で読んだ事があるんだけど…
多分これは、日本密教に伝わる、呪詛による怨霊の仕業だと思う…」
オカルト情報に詳しい順子の話とはいえ、唐突な話に私は聞き返した。
「何それ…
そんな非現実的な事が、実際にあるの?」
「あるわよ!!
それに、非現実的な事なら、もう私達が身をもって体験済みでしょ?」
順子は本で読んだ呪詛による怨霊についての、説明を始めた。
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