私達は用意してきた入れ物に、遺骨を丁寧に入れ始めた。
遺骨を持ち帰り、寺で供養してもらわなければならない。
私は遺骨を拾い集めながら、ある事に気が付いた。
遺骨の一部が無い…
左手首だけが、がどこにも見当たらないのだ。
疑問に思った私は、2人に確認した。
「これって、左手首が無い…よね?」
智子は作業していた手を止めて、私の問いに答えた。
「うん…
私もさっきから、気になっていたのよね。
どうして、左手首が無いのか…」
その時、腕組みをして考えていた順子が突然声を上げた。
「分かった――
さっき本人も、自分ではどうにもならないと言っていたし…
昨日の母の話でも18年前、当時手を不自然に怪我していたと言ってたじゃない?
とにかく、早く全ての遺骨を集めてこの場を離れよう」
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