「う…嘘……
そんなはずはないわ!!
治療の手を抜かれ、医者に殺されたのよ!!」
「自分の目で、納得いくまで確かめれば良いわ…」
順子は便箋を、朝倉さんの足元に投げた。
その便箋に視線を落とした朝倉さんは、振り上げていたスコップを落とした。
「こ、これは…
確かに、舞子の文字……」
順子は朝倉さんに、穏やかに話した。
「もう止めましょう…
もうこれ以上、誰かが苦しんだり、哀しんだり…
そうでしょ?」
「そ、そうね……」
朝倉さんが頷こうとした瞬間――
突然地面から、凄い勢いで黒い霧が吹き出した!!
「ああぁ―――!!」
その黒い霧は、朝倉さんを包み込んだ…
「も…もう、私は引き返せないの…
自分では止められないのよ……」
そう言い残すと、朝倉さんの姿は、霧の中に溶け込んで一体となり消えた――
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