「待って!!」
そこに順子が、止めに入った。
「朝倉さん、あなたは勘違いをしているわ!!」
順子は古い茶色く変色した便箋を、手にしていた。
「これは舞子さんが、母に宛てた手紙よ。カルテに挟まっていたの!!」
ああ、さっき車の中で順子が読んでいたのは、これだったんだ。
順子はその手紙を、読み始めた…
「川崎先生
最近以前の様な、激しい頭痛が少なくなりました。
先生が私に付きっきりで治療に当たって頂いているからだと、心から感謝しています。
看護婦さんから、病院の治療方針について抗議されている事も聞きました。
私自身、このままだと自分の生命がもう余り長くない事は何となく分かります。
それに治療の方法が無い事も…
でも、なぜか心は穏やかです。
最後に私の為に一生懸命考えて、治療して下さる医師に出会えたからでしょう。
本当にありがとうございました。
朝倉 舞子」
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