地面から出てきた手に、突然足首を掴まれ強く引っ張られた!!

私はその場に仰向けに引き倒され、後頭部を地面で痛打した!!


それを目撃した智子が、慌てて駆け寄って来た。

「小夜子!!
大丈夫、今助けるから!!」


智子が近付いて来ると、土の中から頭、上半身と徐々に全身を現した!!

間違いないあの女性は、朝倉さんの母親だったんだ。


近付いて来た智子を片手で掴むと、電波塔のコンクリートの壁に投げ飛ばした!!

「きゃあ――!!」

智子の悲鳴が、山に木霊する。


智子を投げ飛ばすと、スコップを手にし笑いながら言った。

「私が一番力を発揮できる地に、自分達からやって来るとは!!

舞子が殺されたのが20歳の時だった。
あなた達も今20歳…

私が味わった苦しみを、あの女達も味わうがいいわ!!」


そして私の頭上で、スコップを振り上げた――


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