両側から背の高い草が迫り出す舗装されていない道を、多少車が擦れて傷付こうが構わずに進んで行く――


500メートル程進んだ所で道が急に開け、目的地前の空き地に到着した。

私達は車内から、18年前の建設現場を見上げた。


智子が呟いた…

「これが、18年前の建設現場…


北山市の電波塔――」


当時の建設現場はテレビやラジオ、その他の無線等が共同で使用する為に、北山市が建設した電波塔だったのだ!!

遺体を埋めた場所がここならば、電波を利用した今迄の出来事も納得出来る。


私達は車を降りスコップを手にすると、電波塔の方に歩いて行った。

「聞いた話では確か…

電波塔の北側…
コンクリートの壁の、ちょうど境目辺りだったよね?」

私が電波塔の壁伝いに、位置を確認して歩いていた。


その時だった――!!


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