「このままだと、全ての責任を京子が取らなければならなくなってしまう…
医者としての仕事すら、出来なくなってしまうのではないか?
そう思った私と姉さんは考えた――
そして、市役所に出された要望書や苦情は、私の手で握り潰す事に決めた…」
智子の母が俯いたまま、その後の経緯について説明した。
でも…
それがこんな事態を引き起こす理由になっているとは、とても思えないけど。
私は思い切って尋ねた。
「でも、それだけではないでしょ…
朝倉さんの母親は、その後どうしたの?」
母もそして他の2人の親も、黙り込んでしまった…
その状況を見ていた順子が、自分の母親に詰め寄った。
「母さん、サトシ君が犠牲になってるのよ!!
それに私達3人も、辛い思いをしているし…
次はこの3人のうち、誰かが犠牲になるのよ!!」
.