「で、でも…
それなら、特に何の問題も無い様な…」

智子が言った。

確かに私が話を聞いていてもも、特に何の問題も無い様な気がするけど…


順子の母親の話には、まだ続きがあった――


「その後…
朝倉さんの母親から、病院に問い合わせがあった。

『実際は、手術すれば助かったのではないか』とね…


確かに僅かながら、その可能性はあった。


そして説明に窮した病院側は、私に全ての罪をなすり付けた。

『全て担当医の考え方ですから、直接担当医に確認して下さい』


その日から彼女の母は、私の所に質問や苦情に毎日来る様になった…



そんな日々が1か月程続いた後、彼女の母は病院に言ってもどうにもならない事に気付き、今度は北山総合病院を管轄する、北山市の健康保健課に怒鳴り込み始めた…」


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