それでも――
そのままだと、生命に関わる危険な状態だった。
それに成功する確率も、全く0では無かったし…
私は当時の部長と院長に、手術をさせてくれる様に依頼した。
しかし、病院側の回答はNO…
院長も部長も、失敗して病院の評価を落とすよりも、通常の治療方法で病死する方を選んだ。
確かに病院とすれば、当然の選択だったと思う…」
「そ、そんな馬鹿な!!」
「順子!!」
私は順子が立ち上がろうとするのを、腕を掴んで制止した。
順子の母親は順子の方を向くと、話を続けた――
「私は腫瘍を抑える為に、手術以外のあらゆる手段を使って治療を試みた。
それでも、彼女の容体は日増しに悪化し…
それから暫くして、亡くなった」
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