私達3人は予想外の展開に、すっかり言葉を失って黙り込んでしまっていた…


母は私達のそんな状態を気にも止めず、話を続けた…

「それと言うのも、18年前のあの出来事があったから…

それは――」
「姉さん。
そこからは、私が話しをするわ…」

順子の母が、話しの途中で割って入った。

「話の始まりは私だから…」


母は頷くと、ダイニングから椅子を持ってきてその椅子に座った。

そして、18年前の真相を、順子の母が話しを始めた。


「18年前――

私は北山総合病院で、脳神経外科医として既に勤務していた。

診断も手術も高く評価され、次期課長もほぼ確定していたの。


その時の私が担当する患者の中に、朝倉 舞子さんがいた…

彼女の病名は、簡単に言うと脳腫瘍。

当時の医療技術では、脳に影響を残さず治療する事は不可能だった。


.