「母さん…」
そこには順子の母が扉に手をやり、顔面を強張らせて立っていた。
「あ、あなた達…
一体何をしてるの!!」
そして順子の手から、カルテを強引に引き剥がした!!
順子はそんな母の態度にも動じず、少しずつ近付きながら尋ねた。
「そのカルテ…
そのカルテの人は?」
順子の母は表情を曇らせ、ただ黙っていた。
そんな母親の姿を見て、順子の声が次第に大きくなる…
「ねえ…
私達は正体不明の女性に、生命を狙われてるのよ。
その鍵が、そのカルテの患者名にあるの!!」
順子の言葉に、一瞬にして順子の母の顔は蒼白になった。
「ま、まさか…」
「もういい!!」
順子は隙を見てカルテを奪い取ると、自分の部屋に駆け込んだ。
な、何?
何か様子がおかしい…
そんな母子のやり取りを、呆然と見ていた私も我に返った。
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