「キミが悪い!!!!!!!!」 「キミじゃないよ」 急に低く艶やかな声がしたから、はっとして彼を見上げる。 「俺の名前は岩倉亮太(イワクラリョウタ)。りょーたって呼んでね!」 いつもの調子に戻ってふにゃっとした笑顔で言われたから、なんだか逆らえなくてあたしは頷くことしかできなかった。 『キミじゃないよ』 この声に一瞬ドキっとしてしまったのは内緒だ。