「ねぇ、笑子ちゃんだよねぇ〜?」
背後から声をかけられ、あたしはゆっくりとふり返る。
視界に入った顔には見覚えがある。
赤い光があふれる幻想的な世界から一気に引き戻された気がした。




銀のピアスが赤く輝く。
さっきの男の子だ。




満面の笑みで立っている彼にさっきの大人っぽさは欠片もない。
大きな八重歯がいたずらっ子な少年っぽさを演出している。




「うわ!!!!やっぱ笑子ちゃんってすげーかわいい!!!!」




「…ありがとう」




…軽い。
この人さっき別れたばっかじゃないっけ?