「とりあえず、うざがられてはいないよ。それに晴樹くんはちょっと無愛想なだけで人嫌いなんかじゃない」
疲れた表情の梨花ににっこり笑いかける。





「…笑子は田中の何を知ってるの?」
こないだ知り合ったばっかりじゃん、と呆れたように返される。
彼女は勉強中の時だけかけている黒ぶちのメガネを外すとそっと机に置いた。




「そうだけど。見てればわかるよ」
思いこみと言えばそれまでだけど、ふとした晴樹くんの表情は優しさに満ちていてあたしにはどうしてもそんな人には思えなかった。