私がすべきコトは、ただ1つ。


貴方の未来を守り、離れるコトだから――



“どうする?”なんて、愚問でしょう?


仕掛けてきた選択は、あまりにも惨い解答だけ。



初めて人を、憎いと思わせたほど・・・




『東条グループ、イケメン若手社長。

誠実さの裏に実は、妾・秘書の存在が!?

…週刊誌にリークすれば、天下の東条グループも、流石にね――?』


『・・っ――』


それは紛れも無い、脅迫の始まり――




『幾ら、親交のある取引先であろうとも。

俺は【気に入らなければ敵に回る】のが信条なんだ。

敢えて言わなくても、“優秀な秘書”は理解してるよね?』


『・・っ・・』


後藤社長の薄笑いと、挑発的な言葉が響き渡って。


止め処なく溢れる涙は、さらに増幅してしまう。



弱りきっていた私には、ぐうの音も出ないほど。


溢れ出す悲しみは、留まる所を知らなかった。




変わらないハズの未来を・・・


その妾が、壊してはダメでしょう?




契約不履行の私を、いっそのコト憎んで下さいね――