幸か不幸か、今日は休日で。


社長とはあれ以来、顔を合わせていない。



もし、今日が平日だとすれば。


言葉通りに、変わらない日常を迎えていたハズ。


カンケイだって、続いていたのかもしれない。



たとえ、婚約者の存在が明るみに出ていても――



でも…、この選択しか私にはもうナイ。


社長に会わずに済んで、良かったと思わなきゃ。



だって、大好きな貴方の顔を見た途端。


弱い私はきっと、決心が鈍ってしまう。



別離をするコトが、出来ないから・・・




失意の私に、後藤社長が追い討ちを掛けたモノ。


それは、あまりにも卑劣でしかなくて・・・




『佐々木さん…、付け加えておくけど――

俺は“彼”とは違って、君の意思を優先するつもりだけど。

返答次第によっては、色々と厄介になるからね?』




『・・・どうする?』


『っ・・・』



もう道なんて、残されていなかった・・・