貴方を守るコトに、生き甲斐を見出した今。
私はただの、ウソ吐きロボット――
「愛して・・・ます」
抱き締められたまま、何度も反芻した。
ウソを吐き出す分、貴方へのキモチが確かになる。
これが私なりの、愛し方だから・・・
だから社長は、幸せになって欲しいの。
婚約者だけを愛して、大切にして下さいね――?
目をギュッと瞑って、目の前の広い胸に身を寄せる。
すると、フッと自嘲した笑みが頭上から聞こえた。
「蘭…、ウソは止めてくれる?」
「え・・・」
「だから俺は、ウソって嫌いなんだよね?」
「っ・・・」
「蘭が一番、分かっているだろう?
ウソが最も、人を傷つけるってコト――」
「…っ――!」
いきなり彼は、抑揚のナイ声に変えると。
まるで透視したかのように、心を見抜いている。
私の考えなんて、すりガラスみたいなモノ・・・