幼馴染みなんて儚いモノ――
いつかは変わるのだと、どこかで分かっていた。
だけど、こんなカタチで変わるのならば。
いっそのコト、無関係になれれば良かった。
何年も育んでいた“絆”と想いを。
契約という“縛り”で、繋がれるのならば・・・
「・・・蘭、聞いてるのか――?」
「えっ、あ……申し訳ございません。」
隣から響く声に、一気に現実へと引き戻された。
あれから準備を終えた私は、会食先へと同行している――
「これから人と会うというのに、ボンヤリするんじゃない。」
「…申し訳ございません」
呆れた様な声色からは、先ほどの行為など微塵も感じさせない。
そんな彼に対して、ポツリと謝った。
・・・今の私はまるで、謝罪ロボット。
それでも、ボーッとしていた自分が情けない。
仕事中に甘えなど、許されないのにね?