余韻の冷めやらぬ、虚しい身体を起こすと。
勝手知ったる、バスルームへと向かった。
湯煙と水滴が残る、シャワールーム。
さっきまで、拓海が使っていたシルシ・・・
無駄な感情だと分かりつつ、ドキリと高ぶる鼓動。
拓海との愛などナイ、行為も。
振り切るどころか、募っていく想いも。
このシャワーが、全て流してくれればいいのにね――?
「・・っ、うぅ・・」
シャワーを全開にして、溢れるモノを誤魔化した。
幼馴染みなんて・・・
いかに脆くて、遠い存在なのか――
一生切れるコトなどナイと、思っていたのに。
一番近い存在なのだと、思っていたのに。
まさに、諸刃の剣・・・
私たちの十数年は、雪崩のように崩れ去ったのだから。