「・・・ふぁ・・っ・・」
激しいキスの往来に、すぐに腰砕けにされて。
拓海の胸へと引き寄せられ、崩れ落ちてしまう。
ドクン ドクン・・・
激しさを増す鼓動と、包まれる香りのせいで。
私はもう、気を失いそうになる・・・
「・・フッ・・」
いつも通りに、私を見下げて一笑すると。
フワッ――
私の腰と膝に、スッと腕を回して持ち上げた。
身体は自然と、拓海の方へと寄り掛かる。
ホワイトムスクの香りが、強く感じるキョリ。
拓海の吐息と鼓動が伝わる、密着した体勢。
それがまた、私のドキドキの材料になる・・・
抱えられていくのは、社長室の奥の部屋――
ココが他の役員室とは、違う場所・・・
私を抱えたまま、スッと右手人差し指をドアへと近づける。