幼馴染みでも無くなった社長の心が、私なんかに向く訳がナイ。




これはただの契約であり、彼のヒマ潰しだから・・・




眼前に迫るブラウンのドアへと、おでこをつけてしまった。




「もう、ヤダ・・・」


ポツリと声に漏れ出た自らの本心が、さらに苦しさを増していく。




仕事なんて、正直言ってどうでも良いと思っているの。



周りに冷たくされていても、もう構わないと諦めているの。



そんなコトは本当に、どうでもイイのよ・・・





ひとつ耐えられそうにナイのは、想いだけが増しているのに。



この重厚なドアの先では、絶望しか待ち構えていないコト…。




増えたキモチをまた、開けてはいけないパンドラの箱へとしまい込んで。



解けないように頑丈な鍵を掛けて、慎重に保管をする・・・




何の望みも失ってしまった、そんな希望のナイ毎日が辛い――