縺れた糸のように、指と指を絡ませて手を繋いでいる私たち。
そのまま歩を進めていき、ゆっくりと階段を上がっていく。
近づいている先が分かるからこそ、ドキドキしてしまう。
ガチャッ――
拓海によって開けられたのは、もちろん彼の自室。
家具は様変わりしているものの、その広さとシンプルさは変わらない。
入室した途端に色々なコトが蘇り、心はグッと締めつけられていく。
「っ・・・」
月日が経っていようとも、思い出されるアノ頃・・・
無理矢理とも取れるカタチで、奪われてしまったハジメテ。
貴方との世界のチガイを知らされた、あまりの辛苦さも憶えてる。
貴方を愛しているのだと気づいた、実りのしない感情の酷さだって…。
一生結ばれるワケのない、妾だとしても・・・