すると溜め息をひとつついた旦那様が、こちらをジッと見据えた。
「っ・・・」
決して睨まれたワケではないのに、ドキリとして心音が早まる。
これがトップに立つ人の風格なのかもしれない――
「私にはもう、何も反論する余地は無いよ。
君達を認める事にしよう・・・」
「えぇ、ありがとうございます」
正座をして一礼をする拓海に、思わず眼を見開かせた。
認めるって…、何を――?
紡がれた言葉の意味が解らず、視線を泳がせてしまう私。
するとその間に、ブラウンの瞳と視線が交わってしまって。
グイッ――
腕を引っ張られて、強引に立ち上がらされた。
「ッ・・・」
そうしてキュッと絡められた手に、体温は急上昇してしまう。
繋がれだ手は離される事なく、私を引き連れて歩く拓海。
襖を開ける直前、くるりと踵を返して旦那様たちを捉えていて。
「どうも、ありがとうございました…」
キッチリと一礼をしたあと、ご両親の瞳を見据えていた。