“あの子は召し使い”
私にとっては、あまりに残酷すぎる言葉だけれど。
自分でも、よく分かっているの・・・
態々、そんなコト言われなくても承知しているから。
今の私は、ただの社長秘書だと――
幼馴染の関係が消え失せた今は、拓海にとって“コマ”同然であると…。
社長の、ヒマ潰しの存在なのだと・・・
それでも…、幸せだと思う外ナイよね――?
こうして後ろを歩くことさえ、本来なら叶わないハズだもの。
微妙な一定のキョリを保ちつつ、今日も無言で彼の背中を追っていく。
これが幸せだと信じて、歩いて行く外ナイから…。
大体私にはもう、自ら近づくコトなど許されない立場だもの。
貴方にとっては、ただの“契約”でしかナイから…――