ガラリと空気を変える問い掛けで、体温は急低下していく。


強張る身体の変化を気づかれないよう、浅く呼吸をする私。




「先ず…、接点は何処にあった?」


先ず・・・次へと繋がる前置詞に、跳ね上がる心臓。



「そ、それは…、アノ日の会食で・・・・・・」

その躊躇いが表へ出て、上擦った口調になってしまう。



これでは自供への道を歩み始めた、容疑者と同じ。


どうして私は、ウソ吐きさえ出来ないのだろう?



不器用さに項垂れつつ、彼からの鋭い視線を遮っていた。


流れゆく沈黙の重さで、押し潰されそうなクセに・・・





「ハァ・・・、ホント、昔から変わらない――」


「・・・・・」


朝と同じく業を煮やしたのか、珍しく溜め息ひとつをついた。



それから身を寄せている私ごと、ゆっくりと上体を起こす拓海。


パリッと固い真っ白なシーツが、肌からハラリと落ちていく。



「ッ・・・」


露になった両肩に手を置かれ、一定のキョリを保たれてしまう。




彼の瞳からは背けない、新たな環境を作り上げて――