想いが加速する中、傍らで噴火寸前のモノ。
鎮める手立てなど、分かりきっているのに・・・
「フッ…、次も期待しておこうか?」
「ッ――!」
軽く一笑したあと、どこか甘い声が鼓膜を揺らした。
ドクドクと高ぶりが増す鼓動は、すべてを鮮やかに染める。
キラリと煌めく恒星でなければ、鈍く輝く月でもない。
何とも例えられナイ貴方の光芒が、私を照らし出す。
唯一無二の存在感は、神々しささえ備えている。
筋道に足を踏み入れれば、禁忌を犯した気分で。
そんな表現し難い、憂いを帯びた感情に侵食されていく。
対極する私たちに“次”は訪れるのか――?
「っ・・・」
自問をすると、グッと胸を締めつけられた。
貴方の胸に縋りながら、戸惑いだけが蓄積する。
藹藹(あいあい)とした異空間に、身を置きながら。
鬱々とした思いに苛まれて、心が荒みそうだった・・・
「ところで…、結婚しようとした理由は?」
「ッ――!」
拓海らしいというか、予想通りというか。
一気に核心を突くモノを、サラリと投下されてしまう。