拓海への報告がナイ・・・?
彼の問い掛けの意味が分からず、思わず首を捻った。
「秘書検、受けてただろう?」
「っ・・・」
こちらの反応を読み取るように、すぐに答えが齎された。
「どうして俺には、言わない?」
「そ、そんな・・・」
なんとなくだけれど、拗ねたような声で聞かれて。
私の鼓動はバクバクと、激しさを増すばかり。
どうして、拓海が知っているの――?
あぁ、そっか…、ママが奥様に言ったのかな。
「だって…、大したコトないもん。
事務職に就きたいから、取っただけだし…」
職種より、まずはデスクワークを望んだ私。
秘書検を取っておけば、有利になると思ったのだ。
とは言っても、秘書検定2級は勉強次第で取得可能。
態々、報告するような資格でもなければ・・・
スキップでMBAを取得した、拓海とは違うから――