“俺の秘書――”
それはまさに、青天の霹靂・・・
秘書なんて、私が・・・?
「え…、秘書って・・・
私が、拓海の…――?」
聞き間違えではないのかと、動揺しつつ尋ね返した。
「そう…――
俺としては、ずっと蘭を秘書にするつもりだったし。
ほら…、ちょうど就職時期も重なるだろ?」
受話器の向こうで響く、優しい拓海の声。
「っ・・・」
「蘭・・・?」
攫われてしまいそうなほど、本当に清涼な声をしていた。
「で、でも…、私――」
ドキドキ高ぶる鼓動を抑えて、答えかねていると。
「ハァ・・・
やっぱり俺には、報告なしなのか?」
どこか残念そうな声が、受話器から漏れてきた。
え・・・・?