「っ・・・っ・・・」
だけれど、嗚咽を我慢するコトに精一杯で。
涙を止める術など、見つけられなくて。
このまま…、社長室を飛び出したいのに。
ドアを塞ぐ社長のせいで、それすら叶わない。
「…っ、・・くっ・・」
とうとう漏れてしまった嗚咽を、抑えようとして。
その場凌ぎと分かっていても、両手で顔を覆った私。
防御するコトでしか、もう立っていられないよ。
仕事中なのに、泣くなんて最低だ。
お前なんて、もうイラナイ――
その言葉が聞こえるのも、時間の問題だね・・・
「っ・・・ひっ・・」
真っ暗な視界の中で、微かな物音が聞こえた。
それは絨毯が沈む音と、溜め息にも似た息遣い。
厭きられて、とうとう捨てられる――
自分から齎すハズが、彼から言い渡されるなんて。
「っ・・ひっ・・くっ・・・」
イヤなの社長、離れたくない・・・・