社長に私が…、直接言えと・・・?


想像しただけで、心が凍りついていくのに――




「遅かれ早かれ、離れなければいけないんだ。

それなら俺は、君を一刻も早く手に入れたい。

東条くんの“秘書”の仕事も止めさせて。

俺だけのモノにね――?」


「・・・っ」



「あ、それとね・・・

東条君と“キッチリ縁切れ”するまでは。

一切の手出ししないから、安心して?」



「っ・・・」


クスクスと笑っているのに、冗談ではナイ。


私を追い詰めるように、節々で強調される言葉。



有無など言わせない、鋭い眼力によって。


返事も出来ず、ただ俯いてしまう。




それ以上に、心は悲鳴を上げていた。



現実へと引き寄せられる、あまりの辛さに――



ストレスの捌け口だったと、自負していた。


絡み合うキスも囁きも、ゲームだと言い聞かせてた。


始めからアノ行為は、意味を成さないとも・・・



離れるコトと、貴方の幸せを望んで決心したのに。



決死の覚悟が、戸惑いに変わりそうだよ・・・