礼が終わって、みんながバラバラに散らばった時だった。

木村が俺の肩を叩く。





「あれ・・・お前の幼なじみだろ??」






そして、校舎のほうを指差した。




俺は木村の指の先にあるものをじっと見つめる。



小さな人影が、ジャンプしながらこちらに手をふっていた。

髪が、長い。





・・・実羽だ。





俺も笑って、手を振り返す。



実羽の手をふる速さが、少しだけ速くなった。






「先輩、ちょっとすいません」







俺は先輩達に一礼すると、急いで実羽の元に向かう。




実羽は俺が目の前に来るまで、ずっとずっと手を振っていた。