オレは、自分の首にかけていたタオルを、あっこに差し出した。






あっこはチラリと俺を見て、ありがとう、と受け取る。



少し遠慮がちに、そのタオルで自分の顔を拭く。







「爽・・・ってさ。好きな人とか、いないの??」









オレは、黙り込んだ。

今は・・・言えない。

この気持ちは言えない。





ふられるのなんて、目に見えてる。








「・・・さぁな」










オレは遠くを見ながら、呟くように言った。


あっこがタオルをオレに差し出す。