声が聞こえて。

オレは振り返った。




そこにいたのは、あっこだった。







「あれ・・・??お前ら、試合じゃなかったっけ??」








オレの言葉に視線に、あっこは俯いた。




・・・??

いつもなら、笑顔で返してくれるのに。


いらない無駄口と一緒に。






「・・・うん。今、終わったから」






あっこはそれ以上何も言わず、俺の隣に来た。


そして、静かに水道の蛇口をひねる。




さっきのオレと同じように、顔をバシャバシャと洗う。






オレはそんなあっこの横顔を、じっと見つめていた。