「じゃぁ…そろそろ帰る。」

窓の外を覗くと、

外はもう暗かった。

「送っていくよ。」

「平気。」

「ダメ。俺が心配だから。」

そういって無理矢理、

櫻井は愛を連れて

共に外へ出た。

「星なんか…久しぶりに見た。」

「確かに。普段は全然気にしないし。」

普段は目にもとめないような

星の輝きが、

今日はやけに美しく見えた。

当たり前のことに、

ようやく気付いたような。

「私ね、悠に初めて会ったとき、

 素直にカッコイイって思った。」

「え、そうなの?」

「うん。まるでドラマみたいって。

 だってね?

 髪の毛は茶髪でサラサラだし、

 背は高いし、顔もカッコよくて、

 王子様みたいな人だなって。」

「それは誉め過ぎ。」

櫻井もさすがに苦笑した。

「あの頃から傾いてたのかな。

 私の気持ち。」

「だったら嬉しいけど。」