ラブホ街だった。

善彦は適当なホテルに

愛を連れこんだ。

「嫌、こないで…っ!!」

「ずっとあなたと

 こうしたかった…っ。」

実は1度も、

2人肌を重ねたことはなかった。

キスだって、

触れる程度の軽いものばかり。

「ん、嫌……やめ、…っ。」

愛の首筋に

赤い華を咲かせる善彦は、

いつもの善彦ではなく、

本能剥き出しの

猛獣と化していた。

「こんなの、…嫌…!」

どれだけ拒絶しても、

善彦は行為を止めようと

しなかった。

「ゆ、う…くん…。」

愛は力を振り絞り、

かばんからケイタイを

取り出して、

櫻井に電話をかけた。

『もしもし?』

「悠くん、助けて…!」

「愛さん?
 
 誰に電話してるんだ。」

愛は必死に

バスルームへ逃げ込んだ。

『愛ちゃん?今どこ!?』

「ラブホ…っ。

 scandalっていう…!」

バスルームのドアが

こじ開けられ、

善彦の手によって

ケイタイは取り上げられた。