今日から、高校生になる私と、山崎。

これからも一緒に学校に行く。

何も変わらない朝に少し驚いた。

変わったといえば…

少し可愛くなった制服と通学路。

あっ!あと・・・

横にいる山崎が第2ボタンをちゃんと閉めて、

腰パンなんかしてなくて…

シャツ出しもしていない、まじめな制服の着こなし。

それと、私も今日は中学時代のころより、

スカートを織る回数を減らした。

今まで白ソックスだったけれど

今日からは、黒ソックスだ。

そんな事に少し喜びを感じ、

今までとは違う通学路を山崎と一緒に歩きだした。

駅まで、山崎の自転車で2けつした。

山崎の背中は、いつもと同じ山崎の匂いがして…。

落ち着いた。

少し緊張してたのかな?

春の風は、少し冷たくて・・・

だけど山崎の大きな背中が、暖かくて、

そんな少し冷たい風も、なんとも感じなかった。

「ついたよ。」

「ありがとっ」

「結構駅まで遠いな。」

「だねー…。早く電車にのらなきゃだよ?」

「だな。早くいくぞっっ。」

山崎にひかれた腕。

ドキッと胸が脈うった。

私…重症?

重症だね…。

かなり惚れてる。

あー…

どうしようかなぁ…

こんなにかっこいい山崎が、高校で

もてちゃったら・・・。

そんな不安は…

いきなり的中した。


新しい学校の、校門を2人でくぐりぬけた瞬間だ。

私は女子からの痛々しい視線がつきささってくる…。

最悪だ…。

山崎は野球部だけれども、丸刈りではない。

少し伸びている感じで…。

はたから見れば、不良って感じだ。

THE野球部って感じじゃなくて・・。

「おい。桃?ボーッとしてんな」

「あっ…!!ごめん。」

「さっきからさ?男子からの視線が痛いんですけども…。」