そいえば・・・山崎野球部だよね?

私ってどんだけ野球部が好きなのかしら・・。

「はい。今日はここで説明おわりです。」


「山崎…」

「ん?」

「よかったら一緒に帰らない?」

なぜかわかんないけどいつのまにか声が出てた。

「おう。いいぜ。」

「部活いいの?」

「部活…いいんだ。」

「どうかしたの?」

「いや…けがしてさ。」

「えっ?」

怪我?

「おれ怪我したんだよ。」

「詳しく教えてほしい…。」

「お…おう。」

「ありがと。」

「おれらが別れた時あっただろ?」

別れた時。

そんな1ことに胸がキュッと痛んだ。

「う…うん。」

「あんときにさ…車とぶつかって、肩痛めて・・・

   骨折ってとこまで行かなかったんだけどさ?」

「だ…大丈夫なの?」

「おう…。」

「エースだったんじゃないの?山橋と交代したとか言ってたじゃん!」

「まぁ…でももう俺じゃ無理だからさ。」

「何が無理なのよ!!」

「…右肩痛めてたら…俺右利きだから…。」

「あきらめないで?お願いだから。」

「…急にどうしたんだよ?」

「私ね…あの日から山崎のことが本当に好きだったんだって気づいて、
  
  だからさ?まだ好きなの。でも諦めないって決めたんだ。」

自分でも何言っちゃってんのか分かんない。

「だから…諦めないでほしいの。あきらめたらそこで終わりなんだよ?」

「…。」

「お願いッ。私山崎が野球してる姿もう一回みたいの!

  デートしたときバッティングセンター行ったじゃない?
  
   その時の顔覚えてるんだ…。きらきら輝いてたよ?

  初めてみたくらいの笑顔だった。あの笑顔もう1回みたいの。」


「…俺野球してるときそんな顔してんだな。」

「そうだよ!!私、山崎を好きでいる時…きらきら輝いているはずだから。

 恋してる女の子って誰でも輝くじゃない?

 私、野球してる山崎のことが大好き…恥ずかしいよ。こんなこと言うの。」