病院の面会時間が終わるなり、俺は莉緒の着替えたパジャマなどを持って家に帰ってきた

洗濯機に入れると、動かし始める

ソファに座ると、テーブルの端にある本の山を眺めた

俺が買った子供関する本だ

これを見たら、きっと莉緒はつらい思いをするに決まっている

「お前の兄弟ができたら、また新しいのを買うからさ
今回は大目に見てくれよ」

そばにいるかわからないけど、俺たちの子供に向かって呟いた

俺は紐で本を縛ると、玄関に置いた
明日、仕事に行くときにゴミに出そう

「そういえば…すっかりブログの更新、忘れてた」

俺は携帯を開くと、自分のホームページを開いた

莉緒が事故に遭った日の前日で、ブログが止まっている

コメントがたくさんあった

マスコミはどんなふうに騒いでるのだろう?

俺は知らねえや

立ち上がると、寝室にあるパソコンまで歩いて行った

ネットで記事を探す

何と言われているのか

俺は何も言っていない

記者に囲まれても、莉緒の入院について何も話さなかったから