「そう…だな」

俺、選択を間違えてる

莉緒を想っての決断じゃない
俺が逃げたかっただけだ

莉緒の事故から逃げたかっただけだ

これじゃ昔の俺と変わらねえや

莉緒と別れて、フランスに逃げた俺を全然かわらねえ

「紫音、サンキュ」

俺は紫音の肩を叩くと、病室のドアを開けた

「まだいたのか!」

莉緒の父親が俺を睨んだ

「すみません
俺、離婚するはやめます
莉緒と夫婦を続けます」