『…おいっ、桜嗣! 聞こえてるのか!』

紫音の声に俺をハッとした

「莉緒は?」

『いいから、病院に来い!
馬鹿男!』

紫音の叫び声が頭に響いた

馬鹿男か

確かに馬鹿な男だよ

紫音から場所を聞くと電話を切った

「莉緒が死んだら、俺はあんたを殺す」

俺は春を睨むと、大通りに向かって走り出した

タクシーを拾うと、俺は病院に向かった