「ごめんね」

莉緒が謝った

だから莉緒のせいじゃねえって

春って女がいけねえんだよ

「はい?」

『あ…寝ているところすみません』

「そう思うなら、こんな夜中に電話しないでくれるかな?」

『そ、そうですよね
すみません
私、仕事しててこの時間にならないと家に帰ってこれないので』

「いつもこれくらい時間?」

『はい、そうですけど
営業って意外と仕事があって…』

「なら、コンパなんてできるの?
約束した日ってさ
平日だよね?
ちゃんと来れないなら、やる必要なくねえ?」

『あ、その日は平気です』

「ふうん」

意味がわからねえ

いつも夜が遅いのに
コンパの日だけ平気なんだ

『それで場所なんですけど』

「莉緒から説明があっただろ?
俺からもう一度、言うの?」

『えっと…その…当日にならないとわからないって困るんです』

「友人との待ち合わせとか?
それなら莉緒と〇〇駅で待っててよ
莉緒には場所を伝えておくから」

『あ…はい』

「あとは他に質問は?」

『今のところはないです』

「あっそ
もう深夜にかけてこないでよ
俺、礼儀のないヤツって嫌いなんだ」

俺は春ってヤツの言葉も聞かずに、電話を切った