「なあ、なんか良い店ねえの?」

仕事の合間をぬって、彰吾の携帯に連絡をした

昨日の夜中に携帯メールで起こされたから、眠い…

あのあと、なかなか寝付けなくて夜中の3時まで起きちまった

起床時間は4時なのに

本当に最低な女だよ

『店はあちこちにある』

「スポーツバーとかでいいよ!
彰吾の顔がきくところがいいんだ
マスコミに情報を流さない店主が望ましい」

『ある』

「そこ予約とっておいて」

『わかった』

「サンキュ」

『唯一の友達だからな』

「へいへい」

相変わらず微妙な冗談を言うよなぁ…

笑うに笑えないんだよ

俺は携帯を切ると、マネの顔を見た

腕時計をしきりに叩いている
どうやら休憩時間がもうすぐ終わるらしい

俺は苦笑すると、小走りで撮影現場に戻った