莉緒、おいで」

俺がベッドに座って、両手を広げる

廊下に立っていた莉緒は俺の顔を見ると苦笑した

「まだ洗い物が終わってないよ」

「いいから」

「明日は何時に出発なの?」

「明日? 確か5時」

「じゃあ、朝ごはんの準備もしてくるね」

莉緒はキッチンへと足を向けた

なんだよ!
久しぶりの二人きりの時間なのに

ちぇっ……

莉緒はすっかり主婦だ

俺は…まだまだ子どもだな

俺はベッドの上にごろりと寝っ転がった

キッチンの方から、食器を洗っている音が聞こえる

そういえば……我が家には食洗機がなかったな

莉緒も妊娠して、家事も大変になるだろうから
買うか…