監禁生活になって、孤独を感じた
同時に恐怖もじわりじわり襲ってきた

でもそれほど母親を憎んでいなかった

すぐに出してもらえる
そんな期待があったからかもしれないな

親父もすぐに戻ってきて、母親の精神も安定して昔のような生活になるって思ってた

親父がもう戻ってこないと知ったのは監禁生活になってからしばらくしてからだった

親父とタブらせる母親が、俺を抱いたとき
俺は泣いて嫌がった

抵抗した
母親を突き飛ばすのも簡単だったけれど

母親を突き飛ばす勇気は俺にはなかった

親父にはずっと愛人がいたらしい
会社経営を母親に任せて…というかもともと会社は母親のモノだったから…親父は遊び呆けていたんだ

俺は知らなかった

駄目親父だったと初めて知った

取り柄は顔と都合と調子の良い会話だけだった

優しいように見えたただけで、それは父親の外づらの良さだけ

それでも母親は親父に惚れていた

愛人がいても、母親のところに戻ってくるなら
浮気は許していた

だが、親父は母親から逃げ出した

そして母親は俺が逃げ出さないように
俺を監禁した