「そこに飾るのかよ!」

莉緒が寝室に竜聖のサインを飾っているのを見て、俺が言葉をこぼした

「だって起きたときに目に入るでしょ?」

「入らなくていいだろ」

「だって嬉しいじゃない」

「嬉しくねえだろう」

俺の言葉に、莉緒がくすくすと笑った

「桜嗣ってヤキモチ焼きだねぇ」

「うるせえな」

俺は横を向くと、鼻の頭をかいた

「莉緒役の女優なんだが……」

「何?」

「挨拶された」

「ふうん」

「…って苛々しねえの?」

「嫉妬して欲しい?」

「別に」

莉緒がベッドの中に入ってくると、俺の腕を触った

「嫉妬して欲しいんだ?」

「だから……」

莉緒がにこにこと笑っている

「桜嗣って可愛いね」

「なっ……」