なん、で?
藤咲クンが……
ニイト?
でも、だからなんだ。
だって、そうすれば全部のつじつまが合う。
この前王子とあの木の下で会ったのも…。
ニイトだからここの制服を着ていたんだ?
つまり……
藤咲クンは王子で、あの"ニイト"。
藤咲クン=王子=ニイト
なんだ……
昨日、一緒にお仕事をして、アドレスを交換して、海に行った
あのニイトが目の前にいるんだ…。
今起きてる事の事態に心が追い付かない。
今、藤咲クン…ううん。
ニイトがあたしの手を引いて前を歩いていることが、
不思議でたまらない。
「どうして?」
どうして黙ってたの?
だってニイトは…
「もうあたしがリンカだって事も全部知ってたんでしょ?
なら、なんであたしに隠してたの?」
「別に深い理由なんてないよ…」
「……でも…!!」
「俺は、菻榎を試してた」