でもその時――……




「俺はなに言われてもいいけど、
朝岑さんのことは悪く言わないでくれるかな?」




藤咲クン――…??
なんで…?




「はッ!?なに地味男が格好つけちゃってんの?」



女子たちはキャハハと、甲高い声で笑っている。




「かばっちゃってさぁ?
お前まさか朝岑に惚れてんのぉ?」




藤咲クンは、『はぁ』と溜め息をもらす。




そして、とんでもない一言を叩きつけた。




「てめぇらそう言うこと言ってる時の顔、鏡で見たことある?」



ぬぁ!?
ぬぁに~~~!!!




実はそお言うキャラですか?




「まぢムカつく!!地味男がでしゃばってんじゃねぇよ!!」



――…あっ!!



女子の手が藤咲クンに――!!



あたしの体は咄嗟に藤咲クンの前へ出た。





その瞬間…



――…パシン!!!



右の頬にピシッと痛みが走った。