「立ち話もあれだし、どっか入るか。ココ駅だし」


サクが
微妙な雰囲気を、一番に壊す。


「あたし、キャラメルラテのみたーい。」

手を挙げ、ヒトミは賛成する。



「大丈夫?」

耳元で、シュウに小さく囁かれ、
涙をぐっと拳で拭いて
私は笑う。


「大丈夫!泣いたら、お腹すいてきたし。」


ホントは食べる気分じゃないけど、
みんなに迷惑かける訳にはいかないもんね。


「じゃあ、行こうか。ほら、ゆきのりも。」


シュウは笑って、
ゆきのりの肩を叩く。




「あぁ。」


一瞬、


ゆきのりの、頬が、
赤く染まるのを、



私は見逃さなかった。


なんで、
シュウにたいしては
素直なんだろうな?

私にはあんなに嫌なやつなのに。


その時は、
まだ、わからなかった。


シュウと
ゆきのりとの、


関係が。